TSUNAMI

「仙台平野の歴史津波」

歴史学者 飯沼勇義著
「仙台平野の歴史津波~巨大津波が仙台平野を襲う!」復刻版販売
 

仙台平野の歴史津波
歴史津波早分かり!

著者飯沼先生書下ろしダイジェスト版です。
「仙台平野の歴史津波」を読む人も
読まない人もぜひご一読ください。

 
 

歴史から学ぶ津波の予言
「著者が伝える歴史津波の真実」
  1. 縄文時代には地震のことを「国揺」くにゆりと言い、津波のことは「龍浪」たつなみと言っていた。
  2. 何故、縄文時代の遺跡地はこの大津波の被災から逃れる事が出来たか。縄文時代にも何度も大津波に見舞われたが、それに打ち勝つ知恵と苦難があったのである。
  3. 縄文の神とは一体何か。縄文の神とは、元来、「人」である。人が学ぶ事で超人になり、やがて神格化され、次第に有形の人間が無形の人間となって「神」となる。この過程に、人間の営みすべてを一瞬にして破壊する津波の存在を切り離して考える事はできない。日本人の精神世界の形成に津波が大きな影響を与えてきた。現世の人々は、こうした無形となった神の存在は科学でないと否定してきたが、津波で肉親を失った人が手を合わせ祈る姿に神への願いや想いがないといえるだろうか。
  4. 東日本大震災のような巨大地震と大規模津波は縄文時代から何十回も繰り返されてきた。こうした、歴史津波があったこと、少なくとも1000年間の歴史津波の実態を知っていたならば、ある程度の災害を未然に防ぐ事は出来た筈だった。
  5. 自然科学の研究、地震、津波の学者は歴史津波を無視し、明治三陸津波を参考ベースにして、三陸地方を重点に津波対策を論じてきた。石巻以南の仙台沿岸の南域は、津波があっても1~2メートルだといって、行政側を指導してきたため、国の中央防災会議は津波についての対策を三陸地方に重点をおいて実施してきた。
  6. 平成6年(1995年)9月、私、飯沼勇義は「仙台平野の歴史津波」の著書をまとめ、全国発売した。著述した要点は、仙台沿岸は歴史津波によると津波の常襲地帯であるということ。この津波は大規模津波となって仙台沿岸を襲うことになる。波高は十数メートルを超える事になる。背後に山地を抱えている三陸地方と違い、仙台平野に巨大津波が襲ってきたら逃げ場がないので急いで高台を作る必要がある。その要請を宮城県、仙台市はじめ行政側に示し、その津波襲来は近年中に起こる事を訴えた。しかし、中央防災会議の委員の先生、地元の地震、津波の学者さん、行政側の方々・・・すべての専門家、防災対応すべき人たちに、この本の記述は虚構だといわれ、無視されてきた。然るに平成23年(2011年)3月11日、私の進言もむなしく、遂に東日本大震災が起こってしまった。甚大な被害については周知のところである。
  7. 震災後、私は被災したが命は助かった。そして今16年前に書いたこの本が見直 されてきた。どうしてこの津波を予告する事ができたのか、全国各地から問い合わせがきている。
  8. これまでの歴史は或る特定の事件を取り上げて検証し、遺跡地の発掘から得た検証などを構成したものが主流だった。しかし、全く逆の方向からの研究をおこなったのである。地方に残された書かれていない歴史叙述、つまり「空白の歴史」から得る研究である。
  9. 或る時代で特定の地域から突然、人がいなくなったのはなぜか。人間の大量死、集団移転、植物も育たない大地となってしまったのは・・・。
  10. この空白の時代をもたらしたのは大規模津波だったのである。大規模津波が定期的に襲来してきた歴史を克明に研究する学問を「歴史津波学」という。拙著「仙台平野の歴史津波」は歴史津波学の原点といえる。特定の地震について調べるのではなく、長い期間にわたる規則性に着目して研究する事で今回の震災を予見するに至ったのである。
  11. 東日本大震災以前から歴史津波の重要性について指示提唱してきた偉大な歴史・地理を専門とする学者先生方をここに紹介したい。


  • 入間田 宣夫 (いるまだ のぶお)先生
    • 東北大学名誉教授・山形芸術工科大学院長・全大学文化研究センター所長
    • 「平泉の文化遺産」世界遺産登録推薦書作成委員会委員。
    • NHK大河ドラマ「炎立つ」の監修
  • 平川 新(ひらかわ あらた)先生
    • 東北大学教授・東北大学防災科学研究拠点代表・東北アジア研究センター
    • 「1611慶長地震津波400周年シンポジウム」開催の主宰代表
  • 宮原育子(みやはら いくこ)先生
    • 東京大学大学院理学部博士課程終了     
    • 宮城大学事業構想学部事業計画学科教授
    • 地域連携センター副センター長
    • 地域交流事業・地域資源論の研究
  • 蝦名 裕一(えびなゆういち)先生
    • 東北大学東北アジア研究センター教育研究 国際文化博士
    • 「1611年慶長地震津波400周年シンポジウム」における講演者
    • 演題は“1611年慶長奥州地震津波を読み直す”

平成23年12月
飯沼 勇義
 
 
今回の東日本大震災を16年前から予見し、巨大津波に対する防災計画を立てるよう警告を発していた本著を本田印刷より復刻出版致しました。
 
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